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ファーマシューティカルケア

 ファーマシューティカルケアとは、患者のQOL(Quality of life)向上を目指し、これを達成するために調剤だけでなく薬剤師の視点から患者に必要と考えられることを薬剤師が行う業務をいいます。

 

 最終目標は患者のQOL向上になりますので、全ての患者に共通した答えはありません。患者情報を分析して、それぞれの患者に適した方法を見出さなければなりません。薬剤師が関わったことでどれだけQOLが向上したか、結果を評価し、改善を行う必要があります。WHO(世界保健機関)においても、ファーマシューティカルケアについて、薬剤師の行動哲学として以下のように定義されています。

 

WHOにおける定義

ファーマシューティカルケアとは、薬剤師の活動の中心に患者の利益を据える行動哲学である。ファーマシューティカルケアは、患者の保健及び生活の質の向上のため、明確な治療効果を達成するとの目標をもって、薬物療法を施す際の、薬剤師の姿勢、行動、関与、倫理、機能、知識、責務ならびに技能に焦点をあてるものである。

 

 

お薬手帳の利用

 ファーマシューティカルケアを行う上で、ツールとしてお薬手帳があります。お薬手帳は、患者の薬物療法の履歴情報が経時的に記載されたもので、患者が複数の医療施設の処方薬剤情報やOTC薬に至るまで服薬情報を一元管理することによって、医療施設間または薬局間で患者情報を共有することができます。具体的には薬剤情報などで重複処方、相互作用、禁忌薬などを確認でき、患者個人の情報からアレルギーや副作用歴、体質などを確認することができます。

 

 東日本大震災のとき、被災者が常用している薬が流されてしまい、自分でも何を飲んでいるか覚えていなかったが、お薬手帳を所持していたため、今までの常用していた薬を把握することができ、服薬を継続することができた事例があります。お薬手帳はアナログツールであるが故に、大規模災害や停電などでコンピューターが使えなくなっても確認することが可能となるのは利点です。

 


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