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かぜ薬の副作用と受診勧告

かぜ薬の副作用

かぜ薬の副作用として、重篤なものにショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、喘息、間質性肺炎などがあります。
発生頻度は低く、かぜ薬に特異的に発現するものではありませんが、症状が現れたらすぐに受診する必要があります。市販薬で対応することはできませんのでその旨をきちんと購入者に説明することが重要です。その他の重篤な副作用については以下に記します。

 

重篤な副作用

原因薬剤成分

肝機能障害

アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、葛根湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麦門冬湯

偽アルドステロン症

グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ

腎障害

イブプロフェン

無菌性髄膜炎

イブプロフェン

 

発生頻度が高い副作用としては、皮膚症状(発疹・発赤、搔痒感)消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振)、めまいなどがあります。
以下に代表的な事例を記載します。

 

その他の副作用
眠気 抗ヒスタミン成分、鎮静成分
口渇 抗ヒスタミン成分
便秘 コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩
排尿困難 抗コリン成分、抗ヒスタミン成分、マオウ

 

かぜ薬の飲み合わせによっては、上記の副作用を発現する成分を重複して服用するとその副作用が起こり起こりやすくなります。例えば、抗ヒスタミン成分と鎮静成分を同時に服用すると眠気が強くなるという具合です。

 

そのため、各成分の副作用を確認し、組み合わせによって起こる副作用のリスクを最小限にできるように選択しなければなりません。

 

また、アルコールは医薬品成分の吸収や代謝に影響を与えます。アルコールにより薬の効果が増強されることがあり、肝機能障害が起こりやすくなりますので、かぜ薬を服用中は飲酒を控える必要があります。

 

受診勧告

かぜ症状が長引くとき

先に述べたようにかぜ薬は対症療法です。かぜの原因である病原体の排除は自分の治癒力で行っていくしかありません。そのため、一定期間または一定回数を使用しても症状の改善が見られない場合は医療機関の受診が推奨されます。服用後、4、5日くらい経っても改善が見られなかったり悪化する場合は受診します。

 

一方、かぜ薬の服用により症状が悪化することもあります。そのようなときは服用を中止して受診します。間質性肺炎アスピリン喘息などのかぜ薬自体による副作用である可能性があるためです。

 

症状が激しい場合

高熱、黄色や緑色に濁った膿性の鼻汁・痰、喉の激しい痛みや腫れ、呼吸困難を伴う激しい咳の症状がある場合は、市販薬の対応するよりも医師の判断による治療が必要であることが多いです。かぜではなく他の重篤な疾患が隠れていることもありますので、すぐに受診するようにしましょう。

 

他の疾患がある場合

慢性の呼吸器疾患、心臓病、糖尿病などの基礎疾患がある人は、基礎疾患の悪化や合併症を避けるために受診した方が良いでしょう。

 

2歳未満の乳幼児

2歳未満の乳幼児は原則的に受診した方が良いです。かぜではなく早めの対処が必要な疾患である可能性があるからです。小児のかぜでは急性中耳炎を併発しやすいために注意が必要です。中耳炎を放置しておくと難聴になることもあるので注意が必要です。

 


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