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オミクロン株に対する追加接種の効果

2021年11月末以降、日本を含む世界各地において、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染が報告されています。
オミクロン株に対する初回(1回目・2回目)接種による発症予防効果は、デルタ株と比較して著しく低下するものの追加接種により回復することが示されています。入院予防効果も、デルタ株と比較すると一定程度の低下はありますが、発症予防効果よりも保たれており、追加接種で回復することが示されています。

 

オミクロン株に対するイギリスのデータ

英国健康安全保障庁(UKHSA)の報告によると、ファイザー社及びモデルナ社のワクチンのオミクロン株に対する発症予防効果はデルタ株より低く、2回目接種から2~4週後は65~70%であったところ、20週後には10%程度に低下することが示されています。
ここで、追加接種することにより、その2~4週間後には発症予防効果が65~75%程度に高まり、一時的に効果が回復することが示唆されています。ただし、10週以降はその効果が45~50%程度になるというデータもあり、効果の持続期間については、引き続き情報を収集していく必要があります。

 

また、オミクロン株に対する入院予防効果については、ワクチンの種類毎に解析はなされていないものの、UKHSAの報告によると、2回目接種後25週目以降では44%であったところ、追加接種後2週目以降では89%に回復していることが確認されています。
また、65歳以上の人における、オミクロン株に対する入院予防効果は、追加接種後2~9週で94%、10週以降で89%であったことが報告されており、発症予防効果に比べると、その効果は比較的保たれていると考えられます。つまり追加接種は、感染することを完全に防ぐことはできないが、重症化させないと効果があると考えられます。

 

(参考:厚生労働省ホームページ新型コロナウイルスQ&A https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0111.html


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