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追加接種後の副反応

海外の臨床試験の結果では、ファイザー社のワクチン及びモデルナ社のワクチンいずれの場合も、2回目の接種後と比較して有害事象の発現傾向は概ね同様であると確認されていますが、リンパ節の腫れの発現頻度が初回(1回目・2回目)接種時と比較して、高い傾向にあったと報告されています。

 

米国の臨床試験データ

米国の臨床試験によると、初回接種時と比較して、リンパ節の腫れの発現割合が高いこと(ファイザー社:5%程度、武田/モデルナ社:20%程度)が報告されています。
なお、米国CDCのデータによると、いずれのワクチンにおいても、追加接種後1週間以内に見られた様々な症状(局所及び全身性の反応や、健康状態、日常生活や勤務への支障等)は、2回目接種後と比較して、その発現割合が低かったとの報告もあります。

 

国内の臨床試験データ

国内で実施されている健康状況に係る調査の中間報告(令和3年12月24日公表)によると、初回接種時にファイザー社のワクチンを受けた方に対してファイザー社のワクチンを追加接種したところ、接種から1週間後までの有害事象の発現状況は、2回目接種後とほぼ類似していました。
しかし、2回目と3回目を比較すると、以下の症状では3回目接種後の方が発現頻度が高くなっていました。腋窩痛(わきの下の痛み)(1.34%→5.03%)、リンパ節症(リンパ節の腫れ)(0.95%→1.33%)及びリンパ節痛(0.48%→0.76%)。

 

ワクチン接種後のリンパ節の腫れについて

ワクチン接種後に、接種した側の脇や首などのリンパ節が腫れることがありますが、時間の経過とともに自然に治ります。
ファイザー社からの報告によると、米国で実施された追加接種に関する臨床試験において、ほとんどの場合が軽度であり、発現後短期間で症状が治まっていることが確認されています。

 

ワクチンによるリンパ節の腫れは、一時的なものですので、乳がんによって起こりうるリンパ節の腫れとは異なります。ワクチン接種の前後に乳がん検診を受ける場合は、リンパ節が腫れている原因について誤った判定がなされないように注意する必要があります」。

 

日本乳癌検診学会は、「検診としてのマンモグラフィや乳房超音波検査はワクチン接種前に施行するか、2回目のワクチン接種後少なくとも6~10週間の間隔をおいてから施行することが望ましい」されています。また、米国のブレスト・イメージング学会は、「可能であれば乳がん検診は、1回目接種の前か、2回目接種から4~6週間の間隔をあけること」を考慮することを推奨しています。

 

(参考:厚生労働省ホームページ新型コロナウイルスQ&A https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0101.html


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