脳梗塞と経口血液凝固阻止薬
脳梗塞→10年後20%が再発する。脂質、血圧、血液凝固阻止のコントロールが重要となる。
血栓が詰まるタイプの脳梗塞→ラクナ脳梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞
血管が破裂するタイプの脳梗塞→くも膜下出血、脳出血
ワルファリン(ワーファリン)
サプリメントとの相互作用に注意
グルコサミン、コンドロイチン硫酸との飲み合わせに注意。 PT-INR 2~3→4.5に上昇。
イチョウ葉エキス→脳出血を起こした症例。
イグラチモド(コルベット、ケアラム)→併用禁忌。ブルーレターが出された例。
併用によりPT-INR1.3→11.9に上昇。
ワルファリンは生活に制限が多いため、十分な服薬指導が必要。(納豆やクロレラなどの摂取)
新規抗凝固阻止薬
ダビガトラン(プラザキサ)
→生活の制限がない。カプセル剤型が大きいので喉にくっつく事例があり。
したがって服用には嚥下機能が保たれている必要がある。
口の中で水をくちゅくちゅして飲み込むと、のどにくっつきにくい。
1包化は不可。1日2回服用。
リバロキサバン(イグザレルト)
→1日1回服用でOKだが、これは諸刃の剣。
理由は、1回でも飲み忘れることで再発リスクが上昇する。特に高齢者・低体重は要注意。
また出血の発現が服用開始後1か月以内に75%が起こっているため、出血傾向がないか28日以内にモニタリングをする。t1/2=8hが関係している可能性あり。
副作用は出血傾向が多い。低血圧性の立ちくらみがサイン。1包化OK。
アピキサバン(エリキュース)
→1日2回服用。
抗凝固阻止薬
チクロピジン(パナルジン)、クロピドグレル(プラビックス)
TTP(紫斑病)、血小板減少症と肝障害がある。
起こる確率は非常に小さいが、起こると致死的のため、モニタリングが必要。
副作用の初期症状として、不定愁訴、出血傾向、発熱がある。服用開始後2か月以内に起こりやすい。
好中球減少症は、初期症状に風邪のような症状が出る。風邪症状と勘違いするケースもあることから、風邪の訴えがある場合は要注意。
対応策としては、血液検査を実施することで異常を確認できる。
アスピリン(バイアスピリン)
消化性潰瘍→ランソプラゾールとエソメプラゾールに適応あるが、ランソプラゾールにおいてはタケプロンのみ適応があるため、一般名処方の場合は注意。ジェネリック医薬品とアスピリンの併用は不可。
PPIが使用できない場合は、レバミピドを使用するのも選択肢の一つ。
シロスタゾール(プレタール)
脳卒中リスクを下げる効果+出血傾向が低い⇒一見矛盾する効果のハイブリッド効果が期待できる。エビデンスがある。(シロスタゾールvs アスピリン)
投与初期に頭痛や動悸が起こることがある。血流を増やす効果があることに起因。
<解決法>漸増投与
100mg/day×4日間投与したあと、斬増して200mg/dayにする。
脳卒中患者の慢性期の死因の一位は肺炎。誤嚥性肺炎を起こしやすいので注意する必要がある。