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甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

バセドウ病の病態

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが何らかの理由により過剰な状態となり、そこから様々な症状を呈する病態です。甲状腺機能亢進症は、病態によりいくつかの疾患に分けられますが、代表的な機能亢進症としてバセドウ病があります。

 

バセドウ病は、びまん性甲状腺腫を伴った甲状腺機能亢進症です。病態は、自分の体内で産生される甲状腺に対する自己抗体の抗TSH受容体抗体(TRAb)が作用して、過剰な甲状腺ホルモンが産生され続けるためと考えられています。

 

正常な場合、脳にある下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌され、TSHが甲状腺を刺激することによって甲状腺ホルモンが産生されています。甲状腺ホルモンは全身の臓器に作用していて、エネルギー産生、代謝、循環器系の調節、個体の成長・発育などに関与しています。さらに甲状腺ホルモンは、自身の出どころである下垂体前葉にも作用して過剰に産生されないように産生量を調節する働きもあります。この働きをネガティブフィードバックと呼んでいます。

 

バセドウ病の場合、TRAbによって甲状腺が持続的に刺激されてしまう状態となってしまいます。そのため、甲状腺が腫れたり、甲状腺ホルモンの産生過剰・分泌状態となる原因となってしまいます。

 

 

バセドウ病の主な症状

甲状腺ホルモンは全身に作用して代謝を調節しているので、過剰分泌にされることによって様々な症状が出現します。バセドウ病の特徴として認められるのがびまん性甲状腺腫、眼球突出、頻脈の3つの症状があり、これをメルゼブルクの三徴といいます。

 

他にも、体重減少、手指振戦、発汗、全身倦怠感、下痢、動悸などの症状が認められます。

 

バセドウ病は女性に起こりやすい疾患のため、更年期症状と間違うケースもあります。更年期症状は40〜50歳代の女性に、発汗、冷え、動悸、頭痛、肩こり、憂うつといった症状があり、バセドウ病の症状とよく似ています。そのため、受診が遅れて症状を悪化させることもありますので、更年期障害の治療で症状が改善しない場合は、甲状腺機能の異常を疑う必要があります。

 

 

バセドウ病の薬物治療

バセドウ病の治療は、過剰になった甲状腺ホルモンを抑えるため抗甲状腺薬の投与が第一選択となります。抗甲状腺薬として、チアマゾール(商品名:メルカゾール)やプロピルチオウラシル(商品名:プロパジールなど)があります。

 

抗甲状腺薬を使用する際の注意点として、副作用に無顆粒球症があります。無顆粒球症とは、白血球数および顆粒球数が500/μL以下に減少する疾患です。無顆粒球症になると感染症にかかりやすくなり重篤化しやすいため、発熱のどの痛みなどを起こしやすくなります。そのため、抗甲状腺薬投与中は、定期的に顆粒球数を測定する必要があります。

 

一方、頻脈に対する対症療法としてプロプラノロール(商品名:インデラル)などのβ遮断薬を使用する場合もあります。他にも過度の甲状腺ホルモンの抑制を抑えるために甲状腺ホルモン製剤を使用する場合もあります。詳しくは、以下のベージに記載しています。

 

参考ページ: 甲状腺ホルモン製剤と抗甲状腺薬の併用

 

また、抗甲状腺薬で寛解しない場合や、副作用で治療が行うことができない場合は手術療法や放射線療法が選択される場合があります。

 

 


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