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薬剤師の役割

 薬剤師を含む医療職は憲法第25条に定められている国民の生存権を守るための国家の努力義務を果たすべき責務を負っていると考えられます。そのため、薬剤師は医療人として使命観と倫理観をもち、薬学的知識と技術を駆使して、患者中心の医療に全力を注ぐことが薬剤師法に規定されています。

 

 社会が変化していくと、医療に要求されるサービス内容も変化していきます。今まで薬剤師は、調剤室で調剤している人というイメージが強くあります。これはこれまでの薬剤師に求められるものが、主として調剤業務であったためです。特に病院薬剤師でその傾向が顕著で、外来患者の分も院内で行っている施設では調剤以外の業務を行う時間的余裕はなく、調剤のみで1日の仕事が終了するというところが多くありました。

 

 しかし、薬剤師に求められるサービスは変化してきていて、それは病院であっても薬局であっても変化が求められています。病院薬剤師は、病院内の薬局を出て、病棟手術室ICUなどへ活躍の場を広げ、保険薬局の薬剤師も患者の自宅介護施設などに活躍の場を広げています。

 

 薬局は医療提供施設と位置づけられ、調剤以外に一般用医薬品、健康食品、健康、保健衛生、介護等などの相談に対応し、地域医療に関する情報を提供していくことが薬局の重要な役割とされています。保険薬局の薬剤師は専門家の立場から来局者が自己の健康管理のために使用する一般用医薬品、医薬部外品やサプリメントを含む健康品などの相談に応じ、適切な選択と情報提供を行う必要があります。

 

 このように薬剤師に求められるニーズは変化していて、それに伴い薬剤師の担う役割も変化し、薬剤師の職域は拡大しています

 

 

セルフメディケーションと一般用医薬品(OTC薬)

 一般用医薬品(OTC薬)は、医療機関での治療を受けるほどではない体調の不調や疾病の初期段階で、自らの疾病の診断・治療もしくは予防し、QOLの改善・向上を図ることを目的としています。OTC薬は医師による処方せんが必要なく、一般消費者が自己判断で選択できる医薬品です。

 

 医療費抑制政策地域病院の破綻が相次ぐなどの時代背景もあり、自分の体調管理は自分で行うというセルフメディケーションの実施を推奨されています。体調管理は主にOTC薬を利用して行いますが、薬剤と疾患に関する正しい知識がなければ、適切な使用ができず、受診タイミングを逃して体調を悪化することにもなってしまいます。そのため、専門的な知識をもつ薬剤師が、正確な情報提供を行い、一般消費者に支援を行っていく必要があります。

 

 相談を受けた際、薬剤師は一般消費者の訴えを傾聴して、どのように行動すればよいか方向付けを行います。症状が重いときやOTC薬を使用したが症状が改善しなかったり、症状が悪化したときは医療機関の受診勧告を行います。薬剤師が診断を行うわけではありません。

 

 その一方で、副作用などの有害事象を防ぐため、実際に血圧、脈拍、体温、心拍数、呼吸数、心音などのバイタルサインから患者の症状を分析するフィジカルアセスメントを行います。
本来なら、医師や看護師が行ってきた内容ですが、最近では薬剤師の取り組みが多く行われています。在宅医療が推進されていることもあり、薬剤師が積極的にフィジカルアセスメントを行い、異常がみられれば、医師に連絡しているところもあります。

 

 OTC薬であっても、SJS間質性肺炎などの重篤な副作用を起こすことがあります。初期の段階ではかぜの諸症状と類似していることもあり受診に至らないケースも想定されます。このことから薬剤師が得られる情報から考察を行い、最適な行動なアドバイスを行うことは非常に重要とされています。

 

OTC薬を販売する前に、薬剤師は顧客に対して@OTC医薬品の使用、A医療機関への受診勧奨、B生活指導のいずれかが適しているかを判断して提案を行います。これを、OTC販売におけるトリアージ業務とよばれることがあります。

 


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