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ボリコナゾール

ボリコナゾールは、アスペルギルス症をはじめとする重症又は深在性真菌症の治療を目的として開発されたトリアゾール系抗真菌薬です。

 

深在性真菌症の多くは、生命に影響し緊急性を要する重篤な疾患であるため、できるだけ早く薬物血中濃度を有効域に到達させ、その濃度を維持していく必要があります。

 

本剤の剤形に注射剤と錠剤があり、患者の容態に応じてこれらを使い分けることができます。ボリコナゾールはバイオアベイラビリティが高いため、血漿中の血中濃度を大きく変化させることなく、注射剤から錠剤への切り替えが可能です。注射剤からボリコナゾールの投与を開始した患者において、経口投与が可能であると医師が判断した場合には、錠剤へ切り替えることができます。

 

本剤は食事の影響を受けやすく、食事後に投与すると血中濃度が減少したというデータが報告されています。そのため、食事の影響を受けないように食間投与となっています。

 

一方、代謝において肝薬物代謝酵素CYP3A阻害作用が強いため、併用薬の飲みわせに注意する必要があります。安定剤のピモジド(オーラップ)や睡眠薬のトリアゾラム(ハルシオン)および片頭痛治療薬のエルゴタミン製剤(カフェルゴットなど)は同じ肝代謝酵素により代謝されるため、同時に服用することで、これらの血中濃度を増大させてしまうことが知られており、併用禁忌となっています。

 

本剤を服用中に重篤な肝障害を起こすことがあり、死亡例も報告されています。そのため、投与においては観察を十分に行う必要があり、月に1〜2回程度定期的に肝機能検査を行っていく必要があります。また、本剤では視覚に異常を起こすことが多くあり、服用中は自動車の運転などを行ってはいけません。目がまぶしく見えたり、ぼやける、見え方がおかしいなどの症状が出るときは早めに受診する必要があります。

 

 

深在性真菌症

深在性真菌症は、各種の基礎疾患、化学療法、免疫抑制薬やステロイド療法中に免疫が落ちている状況下において発症することが多い疾患です。

 

4大病原真菌として、アスペルギルスカンジダクリプトコッカス、ムーコルなどの接合菌があります。

 

深在性真菌症は、症状として発熱、胸痛、咳、血痰または喀血などを起こします。これらは症状によっては緊急性を要する場合のこともあり、基礎疾患によっては生命予後に大きく関わっていくこともありますので、できるだけ早く薬物血中濃度を有効域に到達させ、維持していく必要があります。

 

 


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