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後期高齢者医療制度

日本の人口構成は、急速に少子高齢化の様相を呈しています。今後、高齢化が進み、医療費が増えていく中で、国民皆保険をいかにして持続可能なものとしていくかが重要な課題となっています。75歳以上の高齢者を後期高齢者といい、65歳〜74歳の高齢者を前期高齢者といいますが、後期高齢者の医療費の推移は年々増加しており、全体の医療費の約3割を占めています。この部分の医療費をいかにして抑えるかが重要です。

 

このような背景の中で、後期高齢者医療制度とは、平成18年の医療制度改正により以前の老人保健法が「高齢者の医療の確保に関する法律」に変更されるに伴い、平成20年4月から実施されるようになった新しく独立した医療制度をいいます。後期高齢者医療制度はこれまで老人保健法で指摘されていた財政・運営面の問題点や現役世代と高齢者の費用負担関係の問題点を解決するべく、新しく創設された医療制度となっています。

 

 

後期高齢者医療制度ができるまで

昭和36年に国民皆保険制度が発足し、昭和48年に老人医療費支給制度が創設されました。この制度では70歳以上の高齢者の無料でした。しかし、当然のことながら医療費が無料化なると医療サービスを頻繁に受けるようになり医療施設がサロン化したり、治療目的以外で入院して病院に留まるといったことが指摘され、結果的に医療費が増加して、財政を圧迫してしまいました。そこで昭和57年年に老人保健法が制定され、高齢者の負担の導入したり、運営を仕組みを変更したりしました。しかし、高齢化の進展はさらに続き、高齢者の医療費もさらに増大していきました。

 

老人保険制度 の問題点として、運営主体が市町村でありながら、財源には老人及び現役世代からの保険料が拠出金として充てられており、市町村と保険者の財政・運営責任が不明確とされていました。平成18年の医療制度改革により、後期高齢者については独立した医療制度を創設し、前期高齢者については保険者間の負担の不均衡を調節する仕組みを創設することになりました。新しい制度は平成20年4月から後期高齢者医療制度として実施され、運営について保険料の徴収は市町村が行い、財政運営は都道府県単位で全市町村が加入する後期高齢者医療広域連合が行うこととなりました。

 

 

後期高齢者医療制度の仕組み

後期高齢者医療制度の財政構成については、患者負担が公費が5割、現役世代からの支援金が4割、高齢者からの保険料が1割となっています。

 

対象者は、75歳以上の高齢者または65歳以上75歳未満で一定程度の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた者となっています。患者の自己負担は1割となっています。対象者の保険証の法別番号は、39から始まる8桁の番号となります。

 

75歳以上になるとこれまで国保や健保に加入していたとしても、強制的に脱退させられ、自動的に後期高齢者医療制度に移行します。65歳〜74歳までの前期高齢者は現役世代の医療保険に留まりながら保険者間で調整がされるようになっています。保険料は原則として年金から天引きされる仕組みとなっていますが、所得が低い者は所得水準に合わせて軽減される措置がとられるようになっています。

 

後期高齢者制度は姥捨て山などと揶揄され、高齢者に冷たい制度とされていますが、実際は現役世代において制度支援のための拠出金負担は大きいため、健保組合の破綻や解散が起こっています。今後も継続的に適切な医療を全ての国民に供給できるためには、制度の内容調節を行っていく必要があると考えられます。


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