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漢方薬を飲みにくい場合の方法

漢方薬が不味すぎて飲みにくいとき

漢方薬が不味くて飲みにくいとき、薬が体に合っていない可能性があります。
漢方薬は体に合っているとき、客観的に苦い薬であっても不思議と体が受け入れることができ、嫌な味には感じないと言われています。
したがって、漢方薬が不味すぎて飲めないときは、変更をして検討しても良いのかもしれません。

 

吐気があって飲めないとき

妊娠中のつわりがあるときなど、吐気のあるときに臭いがきついものは飲みにくいです。
このようなときは冷たくしてから服用すると服用できることがあります。このような飲み方を冷服といいます。
妊娠のつわりに用いる漢方薬として、小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、五苓散などがあります。
これらは冷服で服用すると服用しやすくなります。

 

[やり方]
①湯飲み茶碗に半分程度お湯を入れ、レンジで温める。(十分溶かす) 500Wで30~40秒くらいが目安。
②氷のブロックを入れて冷やす。
③10分くらいかけて少しずつ口に流し込む。吸いのみでも可。

 

エキス剤が苦手な場合

エキス剤には粉末と顆粒があります。粉末は生薬を粉砕、あるいは湯液の水分を飛ばして抽出したもので、顆粒は粉末に乳糖を吹き付けて粒子を粗く加工したものです。

 

エキス剤をのメリットとして以下の点が挙げられます。
漢方薬を必要とする患者さんは元気のない方(脾虚)が多いため、基本的に胃腸が疲弊していることが多いです。
そこで漢方薬を錠剤で服用すると、疲弊した状態では胃腸での消化吸収がうまくいかず、服用したときそのままの形で便に排泄されることがあります。
そのため、エキス剤であれば、疲弊した胃腸でも消化吸収することができます。

 

また、エキス剤を錠剤にすると錠剤に加工する工程が増えるために、力価が減少するとも考えられています。そのため、錠剤よりも顆粒剤や粉末製剤の方が服用に適していると考えられます。

 

どうしてもエキス剤が服用しにくい場合は、以下の方法を試してもよいかと考えられます。しかし、味や香りも効能の一つという考え方がありますので、可能な限りは直接服用することが良いと思います。

[エキス剤を服用する方法]
*オブラートに包んで飲む
 エキス剤を包んだオブラートを数秒水に浸してから飲むが良い。
*ココアに溶かして飲む
 市販のココアパウダーを一緒に混ぜるとココアの美味しい苦みが漢方薬の苦みをマスクできる。
*嚥下補助ゼリーを使用して飲む
 小児の服用ツールとして市販されています。他にもジャムやピーナッツクリームなどに混ぜて飲むのも良い。
*リンゴジュースで飲む
 リンゴジュースは苦みをマスクできることが多いです。オレンジジュースなどの酸味が強いものは苦みを増強させる場合があります。

 

(参考書籍:よく出る漢方薬ABC レシピプラス 南山堂,2017)


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