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医薬品の保存条件

医薬品は、温度、湿度、光などの影響を受けて品質を損なうおそれがあるものがあります。個々の医薬品に適した条件で保管されていない場合、含量が低下してしまうために使用期限内であっても有効性が期待できないおそれがあります。そのため、医薬品は保存条件が予め決められており、個々の医薬品に応じて適正な条件下で保存する必要があります。

 

温度管理

日本薬局方には「標準温度は20℃、常温は15〜25℃、室温は1〜30℃、微温は30〜40℃とする。冷所は、別に規定するものの他、1〜15℃の場所」と規定されています。

 

医薬品の貯蔵温度は個々の性質で異なり、一般的には凍結を避けて低温で保存するのが望ましいとされています。特に指示のあるものは別として、薬品庫内の温度は通例1〜30℃で保存します。しかし、近年夏場の気温上昇が激しく、うっかりすると保管場所が30℃を越えることもありますので、温度計などで適切に管理していくことも重要になります。

 

医薬品によっては冷所保存する必要があります。例えば、インスリン製剤は凍結を避けて冷所保存しなければならないため、通常は冷蔵庫で保管します。また、血液製剤はより細かい温度管理必要となり、人全血液製剤は2〜6℃で貯蔵します。ちなみに有効期間は採血後21日間となります。

 

 

湿度管理

医薬品の保管条件として、湿度45〜55%程度が望ましいとされています。日本は通年湿度が高い傾向にあるために注意しなければなりません。最近では服薬がしやすいよう口腔内崩壊錠の使用が増えています。口腔内崩壊錠はラムネ菓子のような形状で湿気に弱い薬剤となっています。

 

そのため、吸湿性の特に強い医薬品は、乾燥剤を入れた別の保管庫を用意する必要になる場合があります。口腔内崩壊錠をヒートから取り出して一包化する場合は、湿気管理が特に必要となります。

 

 

光線管理

紫外線および短波長の可視光線によって、分解、変質する医薬品が多く認められています。特に直射日光は、光エネルギーが大きいため分解を促進するので避ける必要がありますので、遮光する必要性があります。

 

入院中窓側のベッドにいる場合、窓から差し込む直射日光によって点滴中の医薬品が分解されることもありますので、これを防ぐために遮光バッグを利用して点滴を行います。

 

遮光容器について以下に示すついでに、容器についてもまとめたので、以下に示します。

 

遮光容器

医薬品の品質に影響を与える光の透過を防ぎ、光の影響から保護することができる容器

 

密閉容器

外部から固形異物の混入を防ぐことができる容器。液体または気体の混入を防ぐことはできない。
(例:紙袋、紙箱など)

 

気密容器

液状または固形の異物の混入と水分が侵入せず、風解、潮解、蒸発を保護することができる容器。(例:ガラス瓶、プラスチック容器など)

 

密封容器

気体または微生物の侵入するおそれのない容器。
(例:バイアル瓶、アンプルなど)

 

医薬品の有効期間と使用期限

医薬品が化学成分を主体としているため、どんなに適切な保存条件で保管していても経時的な変化が起こります。特に生物学的製剤や放射性医薬品などは時間が経つと分解が進んでいき、効果が減少してしまいます。

 

そのため、医薬品が適切な条件で保存されたとき、医薬品の有効性を期待できる期間を有効期間とし、これを直接の包装や容器に表示することが薬事法に定められています。有効期間の表示があるのは、抗生物質、ワクチン、血液製剤などの生物学的製剤、放射性医薬品、インスリン製剤などがあります。

 

一方、有効期間と同じような語句に使用期限があります。使用期限とは、最終包装形態の未開封の状態で、適切な条件下で保存されている医薬品につき、品質を保証できる期間のことをいいます。

 

使用期限は厚生労働大臣が指定した医薬品等(49品目)に表示義務がありますが、メーカーが自主的に記載している場合がほとんどです。3年を越えて品質が安定な場合には、使用期限表示を行わなくてもよいとされていますので、使用期限の表示がなければ、3年を目安に使用します。麻薬の容器には有効期限が記載されていないことが多くあります。

 

このように医薬品の品質と有効性を確保するために、保存管理や有効期間・使用期限の管理を適正に行わなくてはなりません。

 


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