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小児に使用される解熱剤(アセトアミノフェン製剤)

解熱・鎮痛剤として、以前はアスピリンが広く使われていましたが、ライ症候群の報告があったことから1980年代から使用されなくなりました。現在では小児への安全性、有用性の高さからアセトアミノフェンが広く使用されています。

 

アセトアミノフェンはさまざまな症例で使用されています。適応症には、解熱以外に頭痛、腰痛、生理痛などがあり、がん性疼痛にまで使用されています。剤形のバリエーションも豊富で錠剤、散剤、坐剤、シロップ剤があります。また、アセトアミノフェンはPL顆粒に代表されるような総合感冒薬の配合剤にも含まれており、一般用医薬品にも多く配合されています。

 

 

 

アセトアミノフェンの作用機序は不明とされていますが、体温調節を行っている中枢に作用して、熱の放散を増大させることによって解熱作用を示すと言われています。また、痛みを認知する大脳に作用して鎮痛作用を示すと言われています。

 

ロキソニンなどに代表される解熱鎮痛剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と言われています。NSAIDsは解熱鎮痛作用が強く、抗炎症作用や抗リウマチ作用があります。副作用として消化器障害を起こしやすい特徴があります。

 

アセトアミノフェンには抗炎症作用や抗リウマチ作用はなく、消化器障害を起こりにくいと言われています。過量投与では肝障害が起こりますが、常用量の範囲内であれば安全に使用できると考えられています。24時間以内に150mg/kg以上摂取すると、毒性を生じると言われています。

 

 

アセトアミノフェンの小児用量

小児用量としてアセトアミノフェンの用量は10〜15mg/kg/回で使用されます。坐剤であっても細粒であっても同様です。体重から薬用量を計算します。

 

例えば、体重10kgの小児場合、薬用量は100〜150mg/回となり、20kgの場合は、200〜300mg/回となります。連続使用する場合は間隔を6時間以上あけなければなりません。適切な間隔をあければ、1日3回まで使用することができます。

 

粉薬の場合、薬用量に合わせて1回1包で服用できるように調剤してあることが多いですが、坐薬や錠剤の場合は製剤規格があるため、薬剤を薬用量に合わせて何個使用するか調整する必要があります。

 

            

                                                                  (アンヒバ坐剤添付文書より転載)

 

 

解熱剤を使用するタイミング

解熱剤を使うタイミングとして、一般的に発熱が38.5℃以上となったときと指示があることが多いです。発熱は人間の体を守る生体防御機能と考えられています。発熱することによって、生体はいくつかのメリットが受けています。

 

1つ目は、ウイルスや微生物は低温で繁殖しやすい性質をもっているため、発熱によって増殖が抑制できるという点があります。2つ目に白血球の食菌作用が亢進することで免疫機能が高まるという点です。

 

解熱剤を投与してしまうとこれらのメリットを受け損なってしまうことが考えられるため、むやみに熱を下げてしまうのも考え物です。また、体温が41℃以内であれば脳やその他の臓器に異変を起こすことはないと考えられています。

 

したがって、高熱であっても40℃以下で小児の状態が良ければ、必ずしも解熱剤の投与は必要ではないと考えられます。一方、小児は発熱による発汗や食欲低下により脱水症状になりやすい傾向にあるため、体温管理の他にも水分補給を十分に行う必要があります。

 


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