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かぜに関する問題集

問1

かぜ及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

 

ア かぜは、医学的にはかぜ症候群といい、主に細菌が鼻や喉等に感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
イ かぜとよく似た症状が現れる疾患として、関節リウマチ、肺結核、尿路感染症が挙げられ、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。
ウ 発熱や頭痛を伴った悪心・嘔吐や下痢などの消化器症状が冬場に現れた場合は、かぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎である場合が多い。
エ 咳の症状がはっきりしているかぜの場合であっても、総合感冒薬を選択するのが最適である。

 

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

 

 

【解答】

ア 誤 
かぜは、医学的にはかぜ症候群といい、主に細菌が鼻や喉等に感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
⇒細菌ではなく、ウイルスが正解。かぜは主にウイルスが鼻や喉に感染して起こる上気道の急性炎症の総称です。かぜの原因のウイルスは、200種類(例:ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス)を超えるといわれています。

 

イ 正
かぜとよく似た症状が現れる疾患として、関節リウマチ、肺結核、尿路感染症が挙げられ、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。
⇒他にもかぜに似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、肺炎、髄膜炎、急性肝炎などがあります。4,5日で軽快しないかどうかは、かぜかどうかある程度の目安になります。

 

ウ 正
発熱や頭痛を伴った悪心・嘔吐や下痢などの消化器症状が冬場に現れた場合は、かぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎である場合が多い。
⇒ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎がそうです。冬場に多く、生カキで食中毒を起こす原因となりやすいです。

 

エ 誤
咳の症状がはっきりしているかぜの場合であっても、総合感冒薬を選択するのが最適である。
⇒咳は結核、喘息、逆流性食道炎などかぜに限らず多くの疾患の症状で現れます。咳の原因が分かったら、すぐに適切な治療に取り掛からなければ重症化する場合もあります。咳が出たらまずはその原因を究明することが大事です。とりあえずかぜ薬という発想は危険です。

 

正解 3

問2

かぜ薬(総合感冒薬)に配合される生薬成分及びその期待される主な作用の関係について、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

 

成分  作用
ア ジリュウ― 抗炎症
イ ナンテンジツ― 鎮咳
ウ キキョウ― 解熱
エ セネガ― 去痰

 

1(ア、ウ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(イ、エ)

 

【解答】

生薬成分は知っていれば即答できますが、知らないと手も足も出ないと思います。代表的なものを覚えていくしかないと思います。知っている成分が多いほど消去法で正答に近づけます。
ア ジリュウ― 抗炎症 解熱作用
イ ナンテンジツ― 鎮咳 〇
ウ キキョウ― 解熱 去痰作用
エ セネガ― 去痰 〇

 

代表的な生薬成分

【解熱作用のある生薬成分】 ジリュウ(地竜)、ショウキョウ(生姜)、ケイヒ(桂皮)、ゴオウ(五黄)、カッコン(葛根)、サイコ(柴胡)、ボウフウ(防風)、ショウマ(升麻)
【鎮痛作用のある生薬成分】 センキュウ(川芎)、コウブシ(香附子)
【鎮咳作用のある生薬成分】 マオウ(麻黄)
【去痰作用のある生薬成分】 シャゼンソウ(車前草)、セネガ、キキョウ(桔梗)、セキサン(石蒜)、オウヒ(桜皮)
【滋養強壮作用のある生薬成分】ニンジン(人参)、チクセツニンジン(竹節人参)

正解 4

問3

以下の記述にあてはまるかぜ薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。

 

体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

 

1 桂枝湯
2 麻黄湯
3 小柴胡湯
4 小青竜湯
5 半夏厚朴湯

 

【解答】

体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、
⇒キーワードとして、体力充実、かぜのひきはじめ、寒気などでだいぶ絞られると思います。
葛根湯っぽい感じがありますが、選択肢にありません。肩こりが入っていれば葛根湯の説明文としても正しい感じです。

 

胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
不適な方の説明で、当漢方薬では発汗作用があると考えられます。汗かきやすい人に対して当漢方薬を服用すると消耗してしまいそうです。

 

正解 2


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