薬局のしごと/くすり/病気に関する情報発信サイト

精神神経に作用する薬① かぜ薬

かぜ薬の諸症状とかぜ薬の働き

1 かぜとは?

かぜは感冒ともいい、主にウイルスが鼻や喉に感染して起こる急性炎症です。上気道とは、解剖学的には、鼻腔、咽頭、喉頭までの気道を指しますので、感冒は鼻腔、咽頭、喉頭に発症した感染症ということになります。悪化すると下気道(気管・気管支)まで炎症が拡がることもあります。

 

かぜの原因は、80~90%がウイルス、残りは一般細菌、マイコプラズマや肺炎クラミジアなどの非定型病原体です。
原因ウイルスとしては、ライノウイルス(約30~40%)、コロナウイルス(約10%)が多く、これらを合わせると約半数を占めます。その他にRSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどがあります。

 

2 かぜの症状

かぜの症状は、呼吸器症状と全身症状が組み合わさって現れます。
【呼吸器症状】

鼻腔の炎症➡鼻汁、鼻閉、くしゃみ
咽頭・喉頭の炎症➡咽頭痛、咽頭乾燥感、嗄声
下気道(気管・気管支)の炎症➡咳嗽、喀痰

 

【全身症状】

発熱、頭痛食欲不振、全身倦怠感

 

2 かぜとよく似た疾患

発熱、咳、頭痛、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢など)があるとき、私たちはかぜを疑ってしまいます。しかし、このような症状は以下のような多くの疾患にも共通した症状があり、その判別が重要となります。

喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症、ウイルス性胃腸炎、インフルエンザ、RSウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など

 

疾患により治療アプローチが異なるため、疾患の判別は慎重に行っていく必要があります。
市販薬の服用で対処するよりもすぐに受診を勧めるべき疾患の可能性もありますので、
基本的な考え方として、急激な発熱を伴うとき、症状が4日以上続くとき、症状が重篤なときはかぜでない可能性を疑うようにします。
疾患について知識があれば、いつから症状があるのか、症状のどのように経過しているのか、どのくらい重い症状があるかを確認することで見当がつくこともあります。

 

インフルエンザは症状が強く、急激な発熱があります。また感染力が強く、重症化しやすいために注意必要です。
インフルエンザはかぜと区別して扱われます。

 

3 かぜ薬の働き

かぜの場合、通常は数日~1週間程度で自然寛解し、予後は良好です。
しかし、症状がある間は体に負担が大きく、咳で眠れない、発熱で体力を消耗するなどのときはかぜ薬を使用します。
かぜ薬を使用する目的は、かぜの諸症状の緩和を図る対症療法として使用するのであり、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去することを目的としていません。

 

4 かぜ薬の選び方

咳がひどければ咳止めを使用し、熱があれば解熱剤を使用するというような、症状に合わせた選び方をします。すなわち個々人の症状に合わせた選び方をするという考え方です。
そのためには、成分を確認し、それが何に効くのかを知っておく必要があります。


HOME サイト概要 プロフィール お問い合わせ