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クレナフィン爪外用液

名前の由来

爪白癬に罹患した爪を清浄(Clean)にする。エフィナコナゾール製剤(Efinaconazole)

 

 

これまでの治療薬との違い

クレナフィン爪外用液は、爪の水虫である爪白癬の原因となる白癬菌に対する抗真菌薬です。これまで水虫の治療薬は多く開発されてきましたが、爪白癬に適応を持つ薬剤は経口治療剤のみでした。しかし本剤は爪白癬に適応を持つ外用薬であり、これまでの治療薬にはない利点をもっています。

 

これまでの爪白癬の治療薬は、患部である爪甲への透過性の問題があるため、経口剤のみが爪白癬菌に適応をもち、体の内側から治療を行うという考え方でした。そのため、他の内服薬を飲んでいる場合に飲み合わせの問題があったり、肝障害が報告されたりしたことから、安全に使用でき、かつ有効な外用剤の開発が望まれていました。

 

そこで開発されたクレナフィン爪外用液(成分名:エフィナコナゾール)は、爪白癬の原因菌に対して高い活性を有しており、さらには爪の構成成分であるケラチンに親和性が低い性質のため、爪甲からの透過性が非常に高いという性質を持っています。

 

また、本剤はハケと一体型のボトルとなっており、ちょうど爪にマニキュアを塗る要領で爪に塗布して使用します。そうすることで薬液を容易に塗り広げることができ、手が汚れないという利点をもっています。

 

したがって、クレナフィン爪外用液は、爪白癬を安全に簡潔に治療を行うことを可能とした新しい治療薬ということができます。

 

 

 

 

使い方

1日1回罹患した爪全体に塗布して使用します。1日1回いつ使用しなければならないと明記されてはいませんが、入浴後の使用の方が爪の状態が清潔で、塗布後すぐに洗い流されてしまう可能性が低いため、1日に1回入浴後に使用することが理想的です。

 

本剤の治療期間は新しく爪が生えかわるまでとされていますので。手で半年~1年くらいかかり、足で1~1年半程度かかります。したがって、本剤はその間使用を継続しなければなりませんので、根気よく治療を行っていくという点は従来の治療薬と変わりはありません。

 

 

副作用

治験の結果による、副作用で最も多いのは皮膚症状ですが、頻度としては特に高い訳ではありません。皮膚炎水疱のほか、掻痒、疼痛、腫れ、爪甲脱などが報告されています。

 

 

注意点

本剤の治療期間において、新しく爪が生えかわるまで継続して使用する必要があるのは従来の治療薬と何ら変わりはありません。また、繰り返し使用で有効成分が爪に貯留していくために継続使用が重要な意味を持ちます。

 

塗布後すぐに洗い流さないようにしなければなりませんが、皮膚の表面に傷口があるとしみる可能性があるので傷口には使わないようにしなければなりません。

 

今のところ開封後4週間までの安定性までしか確認されていません。そのため、4週間を過ぎて残薬が残っていたとしても、残薬を使用するべきではありません。

 

 


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