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アットノン(一般名:ヘパリン類似物質) OTC薬

どんな薬か?

 アットノンは有効成分がヘパリン類似物質で医療用医薬品であるヒルドイドソフト軟膏などと同じ有効成分の一般用医薬品(OTC薬)です。含有される有効成分の濃度も同じ0.3%となっています。ヒルドイドは基材がクリーム剤とローション剤がありますが、アットノンはクリーム剤とジェル剤になっています。

 

有効成分であるヘパリン類似物質は、@血行促進作用、A抗炎症作用、B水分保持作用の3つの薬効があります。本剤は血流の循環を良くする(@の作用)ことで、皮膚の新陳代謝を促進して皮膚の炎症を抑えます(Aの作用)。炎症を抑えることで皮膚自体の正常化機能を回復し、角質に水分を保持させ(Bの作用)柔軟性を取り戻すことで傷痕を改善していきます。

 

ケガをすると傷の近くの線維芽細胞コラーゲンという物質を産生して、傷を修復しようとします。コラーゲンは組織を形作っている蛋白質で、すべての組織で必須のものですが、修復時に傷口が化膿したり、血流が悪くなっていると、コラーゲンが異常に産生されてしまいます。その結果、傷口が赤みもり上がりを残したりして、これが傷痕として残っていきます。また、傷が修復されたあとの患部は毛・汗腺・皮脂腺などが形成されていないため、乾燥しやすく、外部刺激を受けやすい状態となっていて、慢性的に炎症が続いている状態となっています。

 

したがって、本剤はヘパリン類似物質による効果により、皮膚組織の再生を促し、
傷の修復を補助する薬剤ということができます。

 

 

有効性は?

 本剤の効果は血流を改善して新陳代謝を促し、傷痕を目立たなくする効果があります。1〜2年前の傷痕であっても効果があると考えられており、傷は治っているのに、赤みが残っていたり、もり上がっている傷痕・やけどの痕に有効です。効能・効果には以下の項目が挙げられています。

 

きず・やけどのあとの皮膚のしこり・つっぱり(顔面を除く)、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手指の荒れ、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、打身、ねんざ後の腫れ・筋肉痛・関節痛

 

本剤の剤形にジェルタイプの分もあります。ジェルタイプだと、薄くのばしやすく、塗り上がりがさらっとしていますので服に付着せず快適に使用することができます。色も透明なので目立ちませんので、夏場は使い心地と外観の面から、ジェル剤が使いやすいと考えられます。

 

 

予想される副作用は?

 どの塗り薬にも、つきものの副作用ですが、発疹・発赤、かゆみ、腫れなどが出ることがあります。これらの症状が出た場合は使用を中止しなければなりません。

 

また、本剤は有効成分がヘパリン類似物質になっていて、ヘパリンは血液が固まるのを防ぐ薬理作用があり、本剤にもこの作用があります。したがって血友病、血小板減少症、紫斑病などの出血しやすい疾患の患者は使用を控えなければなりません。

 

 

まとめ

 本剤は新しい薬剤という訳ではありませんが、皮膚の新陳代謝を改善して傷痕を残らないようにするという着眼点が画期的だと思います。

 

保険調剤を行っている立場からすると、ヒルドイドを使用することには抵抗がありますが、本剤はOTC薬ですので、ドラッグストア等でも購入することができます。医師の診察も必要なく気軽に使用できる点も良い点だと考えられます。

 

傷痕が気になる方や子どもが怪我をして傷が残らないか心配の方などには、本剤の選択肢があることを知っておいてほしいと思います。

 

なお、皮膚の新陳代謝は28日間と考えられていますので、本剤を使用する際は継続的な使用が推奨されています。

 


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