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突発性発疹

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)により引き起こされる乳児または幼い幼児に多くみられる感染症です。生後1回目に発熱したときによく見られる症状で生後6ヶ月から12ヶ月の間に発症することが多い疾患です。

 

通常、一度罹患すると免疫ができ、再感染することはありませんが、ヒトヘルペスウイルス7型も突発性発疹の原因となることもあるため、2回罹患することもあります。

 

HHV-6の潜伏期間は約5~15日間で、39℃程度の発熱が突然生じます。発熱は3~5日間くらい続き、しばしば下痢を伴うことがあります。熱がある割に元気で機嫌が良く、物をキョロキョロ見たり手足をよく動かしたりします。

 

解熱するとともに淡紅色の斑状発疹が全身に出現し、その後数日のうちに発疹は消失して痕に残ることはほとんどありません。合併症として熱性けいれんを起こすことがありますので、けいれんを起こしやすい場合は早めの解熱が必要となります。また、ごくまれに急性脳炎肝炎などを起こすことが報告されています。

 

突発性発疹は、初期の段階から確定診断することは難しく、解熱後に発疹が出て初めて診断がつきます。突発性発疹は生まれて初めて発熱であることが多く、経験がない場合は発熱などの対応に追われます。解熱は坐薬で行うことが多いため、事前に坐薬の使い方を理解しておくと冷静に対応することができます。

 

突発性発疹は基本的に自然に治る疾患ですが、熱と水分の管理をしっかりと行い、熱性けいれんなどの合併症を見逃さないことが重要です。高熱が続いたとき、ぐったりして水分が摂れなくなってしまったとき、けいれんを起こしたときなどはすぐに受診をするべきです。

 

 

治療

ほとんどの場合が治療薬は必要としませんが、対症療法を行います。

 

発熱があれば、アセトアミノフェン製剤などで解熱を行います。熱が続くと熱性けいれんを起こすことがあるので注意が必要です。脱水症状を起こしている場合は点滴が必要となります。

また、突発性発疹は原因がはっきりしないため、抗生剤を服用する場合もあります。

 

 

 

アセトアミノフェン製剤の注意欄には「低出生体重児、新生児及び3か月未満の乳児に対する使用経験が少なく、安全性は確立していない」と記載されています。記載の通り、3か月未満の乳児に対して安易にアセトアミノフェンを使用して解熱を行うことは慎むべきですが、実際の臨床現場では使用されることがあります。

 

あくまでそのときの状況や症状による判断が必要なため、3か月未満の乳児に投与を行う際は、医師に相談の上、行わなければなりません。

 

ヒトヘルペスウイルスは患児からほかの園児等に感染することは少なく、多くは母児感染と考えられています。そのため、通常は解熱できていて、元気にしていれば、たとえ発疹が出ていても登園することは可能と考えられます。

 

しかし、保育園で独自の基準がある所もあるため、医師に相談の上で確認することが必要です。

 


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