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多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)

多形滲出性紅斑は、皮膚アレルギー症状の一つです。四肢や手のひらや足の裏などに赤い皮疹ができ、かゆみを伴います。発熱を伴うこともあります。

 

病因は様々あり、単純ヘルペスウイルス、マイコプラズマ、溶連菌などの感染によるものや薬剤によるものがあります。薬剤性の場合は薬疹として扱われるケースもあり、基本的には原因薬剤を中止しなければなりません。一方、病因が不明なものも多くあります。

 

小児のウイルス感染後、2〜3日経過すると全身に発疹が出ることがあります。ほとんどが軽症であることが多く、この場合は何もしなくても自然と軽快します。

 

重症型として、Stevens-Johnson症候群(SJS)中毒性表皮壊死融解症(TEN)があります。口や眼の粘膜にびらんを生じ発熱などの全身症状を伴います。これらの疾患となると死亡失明などの重大な後遺症を残すことがあるため、すぐに皮膚科専門医を受診しなければなりません。

 

SJSやTENの原因と考えられている薬剤として以下の薬剤が報告されています。

 

SJSやTENの原因となる可能性が高い薬剤

サルファ剤、フルコナゾール、βラクタム系抗生物質、クラリスロマイシン、ロキソプロフェンナトリウム、アセトアミノフェン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトイン、アロプリノール、レボフロキサシン、アジスロマイシン水和物など

 

可能性が高いとは言っても、発生頻度は人口100万人あたり年間5〜6人と極めて低いです。ちなみに参考までに宝くじの100万円の当選確率は100万分の3くらいです。
むやみに怖がって薬を使用するのを躊躇すると他の疾患の症状を悪化させることになりかねません。症状の特徴をつかんでおき、心当たりがある場合はすぐに受診できる体制を作っておくことが重要になります。

 

 

スティーブン・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症候群(TEN)

薬物投与開始後1ヶ月以内に典型的な皮疹が出る前に高熱(38℃以上)、悪心、嘔吐、咽頭痛、関節痛、筋肉痛、眼の充血などのウイルス感染症様の前駆症状が出現する。

 

SJSの発疹は皮膚粘膜移行部を中心(皮膚口内炎、皮膚粘膜症候群)とする重症型の表皮方多形滲出性紅斑である。発疹は中心の壊死・水泡病変を2-3重の紅斑が取り囲む標的病変が特徴的である。

 

一方、TENの皮疹は広範な紅斑・水泡・表皮剥離、びらん、潰瘍、壊死を特徴としており、患者は皮膚の灼熱感を訴える。白血球減少、腎障害、口腔から食道、気管支の粘膜障害が合併する。

(参照:今日の治療指針)

 

 

治療

皮疹がひどい場合には抗アレルギー薬ステロイド剤の投与またはステロイド剤外用剤の塗布を行います。重症の場合は、輸液などの全身管理とステロイド全身投与が必要となります。

 

薬剤性の場合は、原因と考えられる薬剤の服用を中止する必要があります。軽症の場合は薬剤を中止すると軽快しますが、薬剤が原因で起こるSJSやTENには十分な注意が必要です。症状が疑われる場合は、原因となりやすい薬剤を服用していなかったか確認して、至急に受診する必要があります。

 


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