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関節リウマチ(RA:Rheumatoid Arthritis)

関節リウマチ(RA)は、関節の痛み、朝のこわばり、関節の変形などが起きる疾患で、比較的若い女性に起こることが多い疾患です。

 

RAの原因は本来細菌やウイルスといった異物を排除する免疫システムが正常に働かなくなってしまい、正常な部分を攻撃してしまうことで起こる自己免疫機能の異常と考えられています。

 

関節には骨が滑らかに動くようにする滑膜という膜がありますが、RAではここに炎症が生じてしまいます。炎症が起こると炎症性サイトカインが過剰に産生されるようになり、滑膜がダメージを受けて関節が変形していき、日常生活に支障をきたすようになります。さらには関節症状以外にも肺、心血管系、皮膚など全身作用を生じるようになっていきます。このようにRAは関節などの局所に支障をきたすだけでなく、全身作用も示すことから早急に治療を行う必要性があります。

 

RAは男性よりも女性の患者が多く、8〜9割が女性とされていて、遺伝性が強い疾患と考えられています。発病するのは主に30〜50歳代とされていますが、16歳未満の若い時期に発病する場合もあります。主な症状である関節の腫れ・痛み、こわばり、変形などの症状を把握しておき、早期治療を逃すことがないように注意しておかなくてはなりません。症状の程度や、症状が出ている関節の数などは、関節リウマチの病状を知る上で重要な目安となります。

 

 

関節の腫れ・痛み

関節の痛みには、安静にしていても痛む「自発痛」、押すと痛む「圧痛」、動かすと痛む「運動痛」などがあります。手の関節については、指の第2関節、第3関節(指の付根の関節)、手首の関節(手関節)に起こることが多く、左右対称に症状が出るのが特徴です。

 

朝のこわばり

朝起きてから手足や体が動かしにくく、時間が経過すると次第に動きやすくなっていきます。症状が悪くなっていくと、手足を動かしにくい時間が長くなっていきます。

 

変形

慢性的な炎症により軟骨や骨が変形し、動かせる範囲が狭くなってきます。4本の指が小指のほうに曲がる変形は関節リウマチに特徴的です。さらに症状が進んでいくと関節の骨同士がくっついてしまい、関節が動かなくなってしまいます。

 

 

RAの治療方針

関節リウマチの経過には、個人差があり、いくつかパターンが存在します。多くの場合で手足の指の関節に左右対称に痛みや腫れ、こわばりなどの症状から始まりますが、1〜2年で治ったような状態(寛解状態)になる人もいれば、症状が出始めて短期間で強い炎症や症状が起こる状態になる(活動性)人もいます。一方では、症状が悪くなったり良くなったりすることを繰り返しながら、次第に関節の変形が進んでいく人もいます。

 

RAの進行は患者のQOLを著しく低下させることにつながっていくため、いかにして関節の破壊を抑制し、身体機能を低下させていかないようにしなくてはなりません。したがって、RAの治療は寛解状態を長くし、疾患の活動性をより短くしいくことを目標とします。

 

 

RAの診断基準

近年では早期に治療に取りかかる必要性があることや治療に生物学的製剤が導入されていることから、2010年からACR/EULAR(ヨーロッパリウマチ学会)が 新しいRA基準が設定しています。

 

新分類基準では、腫脹関節数、リウマトイド因子または抗CCP抗体、関節炎の持続期間、炎症性タンパクなどから、関節リウマチと診断されます。RAは炎症を起こす疾患ですので、どのくらい体内で炎症が起こっているかが診断基準となります。体内で炎症性変化の判断基準となる項目にCRP、赤血球沈降速度(赤沈)、リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体があります。また、X線検査の画像診断によって判断を行うこともあります。

 

 

C反応性蛋白(CRP)

CRPは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で生成されます。感染症などの炎症を伴うさまざまな疾患で値が高くなります。

 

赤血球沈降速度(赤沈)

赤沈は、血液を固まらない状態にして静置した時に、赤血球が1時間にどのくらい沈んでいくかを測ったものです。体内で炎症が起こると、沈降速度が高くなり、値が大きくなります。 

 

リウマトイド因子(RF)

リウマトイド因子とは、70?80%の関節リウマチの患者で産生される抗体です。関節リウマチのみでなく、膠原病などの自己免疫疾患においても陽性となるため、関節リウマチに対する疾患特異性は高くありません。

 

抗CCP抗体

抗CCP抗体は、RFと同様に関節リウマチにおける自己抗体のひとつです。RFよりも疾患に対する感度や特異度は高いとされており、他の診断項目でRAかどうか判断がつきにくい場合に補助的診断項目として使用されます。

 

 


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