薬局のしごと/くすり/病気に関する情報発信サイト

パーキンソン病

パーキンソン病(PD)は、脳内の黒質-線条体にあるドパミン神経細胞が減少し、神経伝達物質であるドパミンが不足することで起こる神経変性疾患です。
残存した神経細胞内にはレビー小体が出現します。

 

疫学的には人口10万人あたり100~150人、40~80歳で発症し、好発は50~70歳代となっています。

 

症状として、PDでは大脳基底核などの障害により錐体外路症状が起こります。
安静時振戦、無動、筋強剛、姿勢反射障害が起こりやすく、PDの四大症状と言われています。
無動の部分的症状として、声が小さくなったり、まばたきの減少、仮面様顔貌、流涎、嚥下障害などが見られます。

 

【PDの四大症状】

安静時振戦
手足が震える、丸薬まるめ運動など
無動
動けない、動作が遅い、表情の変化が乏しい(仮面様顔貌)
筋強剛
筋肉がこわばる
姿勢反射障害
前かがみになりやすい、転びやすい

さらに神経変性は、ノルアドレナリン系、セロトニン系、アセチルコリン系などの非ドパミン神経細胞系にも拡がっていき、自律神経症状に便秘、排尿障害、起立性低血圧、脂漏性皮膚炎などがあり、精神症状としては、うつ症状、睡眠障害、認知症などの症状がみられます。

 

重症度は、運動障害と日常生活への影響から、「ホーン・ヤールの重症度分類」で分けられることが多くあります。

Ⅰ度 少し動作が遅くなったり、体の片側に震えが表れる
Ⅱ度 運動症状が体の両側に現れる。介助の必要はない
Ⅲ度 歩くのが難しく転びやすい。介助なしでも何とかなる
Ⅳ度 日常生活の様々な動作が難しく、介助が必要
Ⅴ度 ベッドで寝ていることが多く、移動は車椅子が必要


HOME サイト概要 プロフィール お問い合わせ