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尿酸排泄促進薬

尿酸排泄低下型の高尿酸血症に用いられます。尿酸結石を誘発しやすくなるので、十分な水分摂取と尿アルカリ化薬の同時に行っていく必要があります。腎機能が低下すると効果が減少するため腎機能が正常な状態で使用される必要があります。

 

薬剤名

プロベネシド

 

ベンズブロマロン

 

作用機序

尿酸は糸球体において濾過された後、近位尿細管で約90%が再吸収されて最終的に濾過量の約10%が排泄されています。尿酸の再吸収には尿酸輸送体の有機アニオントランスポーターであるURAT1が関与しています。

 

尿酸排泄促進薬は近位尿細管でURAT1の尿酸輸送を阻害し、尿酸再吸収を抑制します。結果尿酸の尿中排泄を増大させます。
近位尿細管で尿酸が再吸収された後、厳密には分泌・分泌後再吸収が起こっていますが、プロベネシドは尿酸分泌も抑制する作用があります。

 

尿酸降下作用の強さ、半減期の長さから、一般的にはベンズブロマロンがよく使われています。薬物相互作用もプロベネシドより少ないため、使いやすいと考えられます。一方、ベンズブロマロンは肝障害患者や妊婦への使用は禁忌であるため、プロベネシドが用いられています。

 

また、NSAIDsの一種であるブコロームは、抗炎症・抗リウマチ作用に加えて尿酸排泄促進作用をもつため、痛風に適応があります。

 

適応

高尿酸血症・痛風

 

禁忌

両剤とも腎結石、高度の腎機能障害に禁忌となります。
さらにプロベネシドは血液障害(再生不良性貧血など)に禁忌、ベンズブロマロンは肝障害、妊婦に対して禁忌となります。

 

副作用

両剤とも尿路結石が起こる可能性があります。また、プロベネシドは溶結性貧血や再生不良性貧血、ベンズブロマロンは肝障害が起こることがあります。このとき肝障害が重篤になることもあるので注意します。

 

相互作用

サリチル酸薬と併用すると本剤は作用が減弱するので注意が必要です。
また、ワルファリンと併用すると、ワルファリンの作用が増強されるため、併用する場合は注意が必要となります。

 

プロベネシドは、SU薬、ペニシリン、メトトレキサートの腎尿細管分泌を競合阻害し、尿中排泄を低下させるため、これらの薬物の作用を増強させることがあります。

 

注意事項

薬剤使用すると、副作用として尿路結石が起こりやすくなります。これを防ぐために尿アルカリ化薬(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物)を併用し、水分を十分に摂取(3L程度)して1日尿量を2L以上にする必要があります。

 

ベンズブロマロンは、劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こすことがあります。そのため、投与開始後少なくとも6か月間は定期的に肝機能検査を行う必要があります。


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