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水疱瘡(水痘)

水疱瘡(水痘)は水痘帯状疱疹ウイルスによる感染力がきわめて強い感染症で、主に小児が罹患する感染症です。感染すると発熱や全身にかゆみを伴う水ぶくれ(水疱)ができ、最後には水疱がかさぶたになっていきます。
感染後2週間程度は潜伏期があるため、実際の接触は2週間程度前になります。症状が出る2週間程度前に水痘に感染した方と接触したことがあれば、水痘の疑いが高くなります。

 

水痘は原因ウイルスを含んだ飛沫が空気に乗って拡がることで感染します。症状が発現した直後に感染力が高くなりますが、かさぶたになるまで感染力は続きます。そのため、学校保健法においてはすべての発疹がかさぶたになるまでは出席停止とされています。

 

水痘の症状は37℃程度の発熱食欲低下などが現れますが、3日程度で熱は下がることが多いです。その後「蚊の食いあと」のような紅い発疹が出てきます。
通常は赤い発疹は胴体や顔から始まり、その後腕や足に現れていきます。発疹が数個しか出ない小児もいますが、ほとんどは頭皮や口の中を含めて体中に出てきます。
発疹の進行がとても早いのが特徴的で、数時間ごとにどんどん増えていきます。
(例:午後5時に10個→午後11時に50個)

 

数時間後に発疹は膨らんで水疱となり、水疱の真ん中に黒い点があるものもあり、強いかゆみを伴います。水疱の中の液にはウイルスが含まれていて強いかゆみのためにかきむしってしまい、そこから他の人に感染してしまうことがあるので注意が必要です。また、かきむしった部位が化膿してしまい傷痕が残ってしまうこともあります。

 

発疹出現後3日目ごろに水疱のピークを迎え、1週間〜10日程度経過すると水疱は崩れてかさぶたとなります。全てのかさぶたがはがれ落ちるまでに3週間程度かかります。

 

水痘は一度感染すると免疫ができ、通常は二度と感染することはありません。これは一度感染すると抗体が十分量産生されるため、ウイルスに感染したとしても発症にまで至らないという状態となっています。したがって、ウイルスは治癒後も体内に潜伏していて、加齢疲労またはストレスなどにより免疫力が低下してくると、帯状疱疹を起こすことがあります。
さらに、健康な小児であればほとんどの場合が軽症で済みますが、成人して初めてが罹患した場合は症状が重症化しやすい傾向にあります。水痘に罹患した経験がなく成人となった方は注意が必要で、特に悪性腫瘍治療中であったり、免疫抑制薬投与中などで免疫低下状態にある場合は十分な注意が必要となります。

 

 

治療

小児が感染により重症化することはほとんどないため、小児が罹患した場合は対症療法が基本となります。成人やステロイドまたは悪性腫瘍治療中などで免疫が低下している患者では重症化することがあるため抗ウイルス薬の必要となります。

 

小児の場合でも、発症早期で48時間以内であれば、抗ウイルス薬を服用することで発熱や発疹を抑えることができます。原因ウイルスの増殖を防ぐことができるため、発疹や水疱の数を少なくしたりかさぶたになるまでの日数を短くすることができます。

処方例1)小児に対して
ゾビラックス顆粒40%→80mg/kg/日 分4 5日間(1回の上限は800mg)

処方例2)成人に対して
バルトレックス錠(500mg)6錠 分3 5日間 

 

対症療法として、かゆみを和らげたり細菌感染を防ぐために外用薬が処方されることがあります。何種類か同時に処方されることがありますが、処方された外用剤を全て同時に使うのではなく、発疹の形状や状態によって外用薬を使い分ける必要があります。そのためには、処方された薬剤にどのような効果がありどのような目的があって処方されているのかを知っておく必要があります。
使用されることが多い薬剤に@フェノール亜鉛華リニメント、Aかゆみ止め、B抗生剤などがあります。

 

@フェノール亜鉛華リニメント(カチリ)

カチリは古くから使用されている薬剤で白色で粘性がある形状をしていて、独特の臭いがあります。皮膚炎の防腐、消毒、鎮痒を目的として使用されますが、水痘の場合は消毒やかゆみ止めというよりも、水疱を乾燥させるという意味合いで処方される場合が多いようです。
使用方法は紅い発疹に少量ずつ点々と水疱を破らないように注意して丁寧に塗っていきます。水疱が破れた部位には使用しないようにします。

 

 

Aかゆみ止め

水疱には強いかゆみを伴いますので、そのかゆみを和らげる目的でかゆみ止めが処方されることがあります。カチリと同様に水疱に塗りますが、水疱を破らないように丁寧に塗ります。水疱が破れて手で直接触れると他の人にうつしてしまうことがあるので、綿棒などを使用して塗る方法もあります。

 

 

B抗生剤

かゆみで皮膚をかきむしると、そこから細菌が感染して化膿することがあります。このような二次感染を防ぐ目的で抗生剤が処方されることがあります。抗生剤は崩れた水疱に使用します。また、爪がのびているとかきむしった痕が残ることもあるため、爪を切って清潔にしておく必要があります。

 

予防

水痘はワクチンによる予防もできるようになりました。これまで任意接種でしたが、2014年10月より定期接種となることが決定しています。
定期接種の対象者は生後12ヶ月〜36ヶ月の者で生後12〜15ヶ月に1回、初回接種終了後6〜12ヶ月に1回の合計で2回接種するスケジュールになっています。
妊娠可能年齢の女性や慢性の基礎疾患がある成人における接種の重要性は高いですが、妊婦に対する接種は禁じられています。

 


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