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BP製剤と非定型骨折リスク

骨粗鬆症の第一選択薬であるビスホスホネート(BP)製剤は、主に破骨細胞の働きを阻害して、骨吸収抑制作用を示します。継続的な服用により骨量は増加しますが、骨形成促進作用は持たないため、骨の正常な新陳代謝は阻害されます。

 

 通常の生活において、大腿骨には微小損傷(マイクロダメージ)が発生しているが、骨のリモデリングにより修復されています。しかし、BP製剤服用者は骨代謝が抑制されているため、損傷骨と形成骨が入れ替わりにくく、BP製剤の服用期間が長いほどマイクロダメージが蓄積して、骨折リスクが高まると考えられています。

 

 骨折は、転落や落下などの強い衝撃で生じる定型骨折と外部からの衝撃がないのに生じる非定型骨折に分けられます。BP製剤の長期服用で発生リスクが高まるのは、非定型骨折です。長期に服用している患者が鼠径部や大腿骨部の鈍痛や疼きを訴えた場合には、受診勧奨することが求められます。

 

 米国では、「服用3〜5年後で休薬を考慮すること」とBP製剤の添付文書に記載するよう指示が出されています。現在のところ、日本では推奨される対応についての記載はなく、各医師の判断に休薬や治療継続が判断されています。
 BP製剤を休薬後は骨折リスクが上昇する危険性があるため、BP製剤以外の骨粗鬆症治療薬の使用が求められます。また、骨密度の減少や骨代謝マーカーの上昇がみられた場合には、BP製剤の再開を検討しなければなりません。したがって、BP製剤の服用期間は5年を目安として、継続の有無を検討する必要があります。


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