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ロキソニンS

どんな薬か?

ロキソニンSは、スイッチOTC薬と言われるもので、これまで医療用医薬品として使用されていたロキソニンが処方せんがなくても購入できるようになりました。

 

ロキソニンSには、医療用のロキソニンと同じ量の有効成分が入っており、解熱鎮痛剤として使用されます。本剤は下記の目的で使用することができます。

 

<鎮痛目的>
●頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後の疼痛、咽頭痛、腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛、肩こり痛、耳痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛

 

<解熱目的>
●悪寒・発熱時の解熱

 

私たちの生体内でプロスタグランジン(PG)という物質が作られていますが、PGが過剰になると痛みまたは発熱という生理現象を起こします。本剤は、過剰なPGを抑えることで効果を発揮します。したがって、PGの過剰発現で起こる頭痛や生理痛や外傷性の痛み対して効果がありますが、PGによって起こらない胃痙攣や心筋梗塞などで起こる強い痛みに対しては効果がありません。

 

 

注意点

本剤は副作用として、胃・十二指腸潰瘍、喘息発作の誘発、発疹、むくみなどを起こすことが報告されています。過去に服用して、このような症状を起こした方はもちろんのこと、胃・十二指腸潰瘍の治療中の方などは服用することができません。

 

本剤の副作用は、比較的少ないのですが消化性潰瘍(胃もたれ、胸やけ、背中の痛み)、むくみなどが起こることがあります。また、消化管出血(血を吐く、吐気・嘔吐、腹痛、黒いタール状の便、血便など)の症状があったり、消化管穿孔(消化管に穴があき、吐気・嘔吐、激しい腹痛が現れる)が起こることもあります。最近の報告では小腸・大腸の狭窄・閉塞(吐気・嘔吐、腹痛、腹部膨満感等が現れる)が起こることも明らかになりました。

 

その他にも本剤は、解熱効果をもっているため、過度に体温を低下させてたり、力が出ない(虚脱)、手足が冷たくなる(四肢冷却)などの症状が起こることがあります。

 

本剤は根本的な原因を治す薬ではなく、痛みを和らげる薬です。そのため、症状が良くなれば使用を控える方が良いでしょう。本剤を数回使用しても症状が改善しない場合は、服用を継続していくのではなく、なるべく早めに医療機関を受診した方が良いでしょう。極力長期間連続して服用しないようにすることが重要です。

 

 

服用することができない人

以下の該当する人は本剤を服用することができません。

  • 過去に本剤または本剤に含まれる成分でアレルギー症状等の過敏な反応を起こしたことがある人
  • 本剤または他の解熱鎮痛薬、風邪薬を飲んでぜんそくを起こしたことがある人
  • 15歳未満の小児
  • 以下の疾患の治療を受けている人(胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病)
  • 医師から以下のような血液の異常を指摘されている人(赤血球が少ない、血小板が少ない、白血球数が少ない)
  • 出産予定日12週以内の妊婦

 

 

ロキソニンS以外のラインナップ

ロキソニンS以外にロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムという製品がラインナップされています。これらはメインの成分はロキソニンと同じ成分が含まれていますが、追加薬として別の薬剤が配合されています。

 

ロキソニンSプラスは有効成分のロキソプロフェンナトリウムが同量含まれる他に酸化マグネシウムが含有され、ロキソニンSよりも胃腸障害を起こしにくくなっています。

 

一方、ロキソニンSプレミアムはロキソプロフェンナトリウムの他にアリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが含有されており、より強い鎮痛効果を期待することができます。しかし、この製品の注意点として、アリルイソプロピルアセチル尿素が眠気やふらつきを催すことがありますので、車の運転などはしないようにしなければなりません。また、ロキソニンSプレミアムは2錠中の成分量が1回量となっています。つまり、成人量としてはプレミアムは1回2錠服用しなければならないという点に注意が必要です。

 

ロキソニンSプラス

ロキソプロフェンナトリウム水和物    68.1mg(無水物として60mg)
酸化マグネシウム 33.3mg

 

ロキソニンSプレミアム(2錠中の成分として)

ロキソプロフェンナトリウム水和物 68.1mg(無水物として60mg)
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
無水カフェイン 50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 100mg

 

このように、胃腸障害を起こしやすい人はロキソニンSプラスを、ロキソニンに追加してもう少し鎮痛効果がほしいという人はロキソニンSプレミアムが選択肢となります。しかし、ロキソニンプレミアムを選択する際は眠気やふらつきの発現に注意しなくてはなりません。自分の体質や症状を知った上で薬剤選択をする必要があります。

 

 

 


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