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特定保険医療材料

特定保健医療材料とは、医薬品と同じように公定価格が決められており、保険請求ができる医療材料または医療機器のことをいいます。特定保険医療材料を下記に記します。

 

@ インスリン製剤等注射用ディスポーザブル注射器
A ヒト成長ホルモン剤注射用ディスポーザブル注射器
B ホルモン製剤等注射用ディスポーザブル注射器
C 万年筆型注入器用注射針
D 腹膜透析液交換セット
E 在宅中心静脈栄養用輸液セット
F 在宅寝たきり患者処置用気管内ディスポーザブルカテーテル
G 在宅寝たきり患者処置用膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル
H 在宅寝たきり患者処置用栄養用ディスポーザブルカテーテル
I 在宅血液透析用特定保険医療材料(回路を含む)
J 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ(一般用、化学療法用)
K 皮膚欠損用創傷被覆材
L 非固着性シリコンガーゼ
M 水循環回路セット

 

特定医療材料は在宅自己注射で使用するような注射器や注射針があります。他にも在宅中心静脈栄養法で使用する機器も含まれていたりして、在宅医療を行うと特定医療材料を取り扱う機会が多くなります。

 

高齢化時代への移行に伴い在宅医療が推進されているため、今後薬局で特定医療材料を取り扱う機会が増加することが予想されます。

 

通常の保険診療では手技などの技術料に医療材料代は含まれていますが、特定保険医療材料として定められた分については別に算定することができます。薬局では保険処方せんに基づいて交付することができます。

 

保険薬局は医療材料等の提供拠点としての役割が求められており、給付できる品目数が増加しています。平成26年度の診療報酬改定から14種類の特定医療材料が処方せんに基づき保険薬局で交付できるようになりました。

 

処方せんの発行元の医療機関は材料に関わる点数(在宅療養指導管理材料加算)を算定できていましたが、保険薬局で特定医療材料の保険請求が行われた場合は、加算を算定することはできません。

 

また、保険薬局では調剤料を算定できなかったり、処方せんによる注射器・注射針のみの支給はできなくなっています。薬局によっては取り扱いがないと、これらのルールを見過ごしがちになってしまいますので、日頃からの確認が必要です。

 

 

衛生材料

衛生材料は医療や介護で使用される資材のことをいいます。清潔であることが前提で、ほとんどが使い捨てで使用されます。在宅で取り扱う機会が多いものには以下のようなものがあります。

 

・ガーゼ ・脱脂綿 ・綿棒 ・綿球 
・滅菌手袋 ・絆創膏 ・油紙 ・リント布 ・包帯
・テープ類 ・医療用粘着包帯 ・ドレッシング材 ・使い捨て手袋

 

衛生材料の支給にあたっては、衛生材料の費用は処方元の医療機関が算定する加算点数に含まれることになっており、患者に実費を請求することはできません

 

在宅医療において、患者のところで多くの衛生材料等を使用しますが、医療機関が必要な衛生材料の量を判断して患者へ支給するシステムになっていました。しかし、医療機関から支給される量が十分でないことも多くあり、その場合は訪問看護ステーションや患者が直接負担して使用していることが現状としてありました。

 

これを解消するために、平成26年度調剤報酬改定で衛生材料の提供を保険薬局を介して行うことができるようにもなりました。

 

医療機関が訪問看護ステーションの報告を受けて、必要量を判断して患者に提供します。このとき衛生材料を供給できる体制を有していると届出をしている薬局に提供を依頼できるようになりました。また、これまで通りに医療機関は直接患者へ提供することも可能です。

 

衛生材料の支給は、特定保険材料のように処方せんで行われるのではなく、費用請求は医療機関と薬局が合議の上で行うこととなっています。

 

この点のメリットとしては、在宅における療養生活に必要な衛生材料の必要量を医療機関が把握しやすくなることが挙げられます。必要量を正確に把握できるようになると、患者や訪問看護ステーションが不足分を負担する必要がなくなります

 

また、医療機関は薬局と連携することで在庫管理の負担を軽減することができます。特に衛生材料の包装は大きいものが多く、その分在庫数も大きくなる傾向にあります。さらに衛生材料は品質を一定に保つ必要があり、使用期限があるもの多く存在します。そのため、衛生材料等の在庫管理だけでもかなりの負担が発生します。

 

特定保険医療材料と同様に衛生材料の供給も薬局が拠点となることが求められています。今後保険薬局は在宅医療に積極的に参加しなければ、生き残れない時代になりつつあります。保険薬局は通常の在宅医療業務以外に医療材料等の供給体制を整えておく必要があります。

 

その一方で、薬局側の在庫が過剰にならないように小分け販売サービスを利用したり、計画的に発注を行うなどのコスト意識をしっかりもった運営努力も必要となってくるでしょう。

 


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