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自家製剤加算

自家製剤加算は、市販されている医薬品では対応できない患者に対して薬剤師が医師の指示に基づいて服用しやすいように加工した場合に算定することができます。

 

市販されている医薬品で対応できる場合は算定することができません。つまり、調剤した医薬品と薬価基準に収載されている医薬品に同一剤形、同一規格があれば算定ができないことになります。

 

自家製剤を行うにあたっては、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断されない限り行ってはならないとされています。実務で私が自家製剤を行う場合、「錠剤・カプセル剤・粉砕ハンドブック」という本が出版されており、これで確認して調剤にとりかかっています。

 

服用しやすいように加工する技術として、錠剤を分割した場合や主薬を溶解して点眼剤を無菌加工する場合や矯味剤等を加える場合などがあります。通常、成人または6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤であったとしても、6歳未満の乳幼児に対して薬剤師が必要性を認め、処方医の了解が得られれば、算定できるようになっています。

 

自家製剤加算は自家製剤する1調剤につき算定することになっています。自家製剤を行う薬剤が内服薬の場合は、投与日数が7日またはその端数が増すごとに加算します。頓服薬および液剤の場合は別途定める点数になります。外用薬については、自家製剤を行う薬剤の種類により加算される点数が異なります。

 

①   内服薬及び頓服薬
錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬        7日につき20点
錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬       1調剤につき90点
液剤                                                                                 1調剤につき45点

 

 

②   外用薬
錠剤、トローチ剤、軟・硬膏剤、パップ剤、リニメント剤、坐剤    1調剤につき90点
点眼剤、点鼻・点耳剤、浣腸剤                                               1調剤につき75点
液剤                                                                               1調剤につき45点

 

自家製剤は調剤に時間がかかりますので、想定される調剤のために複数回分を予め作り置きして、処方せんを受けたときに投薬することもあります。これを予製剤といいます。予製剤を使用して調剤を行った場合は所定点数の100分の20にて算定しなくてはなりません。予製剤を使用すると調剤にかかる時間を短縮できますが、算定できる点数が5分の1になってしまうことになります。

 

 

計量混合調剤加算

計量混合調剤加算は、薬価収載されている2種類以上の医薬品(液剤、散剤もしくは顆粒剤または軟・硬膏剤に限る)を計量し、かつ、混合して、液剤、もしくは顆粒剤として内服薬または頓服薬を調剤した場合及び軟・硬膏剤等として外用薬を調剤した場合に、投薬量、投薬日数に関係なく、計量して混合するといいう1調剤に対して、加算することができます。所定点数は以下のとおりとなっており、自家製剤加算と同様に予製剤を使用して調剤した場合は所定点数の100分の20に相当する点数となります。

 

液剤                                  35点
散剤又は顆粒剤                    45点
軟・硬膏剤                          80点

 

計量混合調剤加算は、液剤、散剤、顆粒剤、軟・硬膏剤について自家製剤加算を算定した場合は算定できないようになっています。また、薬価収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤を調剤した場合も算定できないようになっています。

 

自家製剤と同様に、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限って加算を行うことができます。医薬品によっては、混合することによって変色したり、湿潤するものもあり、その場合は別に分けて調剤するなどの措置が必要になります。

 

ドライシロップ剤は飲むときに水に溶かして飲むか、そのまま通常の薬と同じように水と服用するかで服用しますが、液剤が同時に処方されることもあり、ドライシロップ剤を液剤と混合して調剤する場合もあります。この場合の計量混合調剤加算は加算することができます。

 

小児科の処方でよく見受けられますが、6歳未満の乳幼児対して処方された医薬品が微量のために乳糖などで賦形を行った場合は、計量混合調剤加算を算定することができます。

 

成人でも医薬品が微量の場合は賦形を行うことがありますが、この場合は調剤学上当然の措置となるために賦形剤の加算を行うことはできません。このように6歳未満の乳幼児に限って計量混合調剤加算をすることができます。


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