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ロスーゼットへの切り替え方

ロスーゼットへの切り替え方

高LDLコレステロール(LDL-C)血症は動脈硬化性疾患の大きなリスクとなるため、血清LDL-Cの適切な管理が重要となります。
薬物療法において、HMG-CoA還元酵素阻害薬であるスタチン系薬剤や小腸コレステロールトランスポーター阻害薬のエゼチミブが使用されます。

 

近年、患者のアドヒアランスの向上のため、配合剤が多く上市されるようになりました。配合剤は、従来使用されている薬剤の有効成分が2つ以上配合された薬剤のことです。配合剤に2剤含まれているとすると、1剤服用することで2剤分の薬を服用したことになり、患者の薬を減らすことができます。
慢性疾患である高血圧や糖尿病の薬物治療を進めていく上で、配合剤の有益な役割果たしていると考えられます。

 

LDL-C血症治療薬においても、配合薬が開発されました。
20??年にアトルバスタチンカルシウム+エゼチミブの配合薬アトーゼットが承認され、??年にロスバスタチン+エゼチミブ配合薬のロスバスタチンが承認されました。

 

今回、LDL-C血症の薬物治療を進めていく上で、ロスーゼットの使用について述べていきたいと思います。

 

ロスーゼットへの切り替えのためのルール

原則として、ロスーゼットはロスバスタチン単剤、またはロスバスタチンとエゼチミブの併用で効果不十分な場合に選択されます。
事前にロスバスタチンで治療を始めているのが前提となりますので、エゼチミブ単剤やロスバスタチン以外のスタチン系薬剤からは切り替えることができません。もちろん、LDL-C血症治療をいきなり、ロスーゼットから始めることも不可となります。

 

取り扱い上での注意事項

ロスーゼットは光に弱いため、遮光保存となります。ロスバスタチンもエゼチミブも単剤のときは遮光は必要ではないのに、配合剤となると遮光が必要となるのは不思議な感じがします。

 

「分包、または他剤と一包化した際の安定性について検討していない」として、一包化は推奨されていません。
しかし、インタビューフォームによると、ロスーゼットを無包装状態で25℃/60%RHの条件下で保存した場合、1カ月まで安定であることが確認されています。
1カ月を超える一包化の場合は、医師に確認をとる必要があります。
ロスーゼットを一包化したものを、保管する場合は、遮光袋に入れ、光や高温、多湿を避けて保管するようにします。


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