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医薬品コード

現在使用されている医薬品の数は膨大なため、目的に応じて効率的に使用できるようにするために多くのコードが付与されています。これらのコードを利用し、在庫管理やレセプト業務を行っている施設が多くあります。

 

薬局では、レセプト業務をはじめとして電子薬歴が広く導入されていて業務の電子化が進んでいます。お薬手帳の管理も電子化されていくことも予想されます。これらに利用される医薬品データベースは医薬品コードによって管理され、日々アップデートされています。

 

 

日本標準商品分類番号

日本標準商品分類番号は、日本の商品生産統計を作成するために政府が作成したものです。日本の市場で取引され、かつ移動できる商品すべてに付されている番号となります。主に統計調査に利用されています。

 

番号は十進分類法で表され、大分類、中分類、小分類、細分類などの順に配列されます。医薬品の分類は、「大分類8-生活・文化用品」に含まれ、さらに2桁で示される「中分類87-医薬品及び関連製品」に分類されるため、医薬品はすべて「87」から始まる番号となります。3桁の小分類以下は薬効分類番号として使用されています。

 

医薬品の商品分類番号は原則6桁の数字で表され、医薬品では添付文書の右上に記載されています。薬効分類番号、薬価基準収載医薬品コードの基準となります。
(参照:総務省 日本標準商品分類 http://www.soumu.go.jp/main_content/000294493.pdf

 

 

 

 

①    大まかな分類で医薬品は、「87」から始まります。
②    作用部位、目的または薬効(2:個々の器官系医薬品)
③    成分又は作用部位(3:消化器官用薬)
④    用途(2:消化性潰瘍用剤)
⑤    成分(9:その他の消化性潰瘍用剤)

 

 

薬効分類番号

日本標準商品分類番号の87の次の3桁(上記の②③④の3桁)が薬効分類番号となります。タケプロンOD錠15の薬効分類番号は「232」であり、消化器官用薬に含まれる消化性潰瘍用剤となります。

 

 

承認番号

承認を受けた商品であることを示す番号です。数字とアルファベットにより以下のような構成となっています。

 

 

 

①1桁目→年号(1:昭和、2:平成)
②2~3桁目→年
③4~5桁目→承認を受けたところ(00:厚生労働大臣、その他は地方)
④6~7桁目→区分(AM:医療用医薬品、AP:一般用医薬品、BZ:医療用具、DZ:医薬部外品など)
⑤8桁目→輸入もしくは製造されたものか(Y:輸入、Z:製造)
⑥9~13桁目→その承認を受けた年の何番目かを示します。

 

したがって、上記の例では、「平成14年の223番目に厚生労働大臣に製造承認された医療用医薬品」と解釈されます。

 

 

薬価基準収載医薬品コード

厚生省コードや薬価コードともいわれていて、薬価調査に使用されます。薬価基準収載医薬品に付与されるアルファベットを含む12桁の数字で構成されています。一般名に対して一つのコードしか付与されないため、ジェネリック医薬品など複数の商品が存在しても同一コードとなります。

 

たとえば、タケプロンOD錠15は、一般名「ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg」と収載されていて、薬価基準収載医薬品コードは「2329023F1020」となっています。

 

このときジェネリックは数品目存在しますが、ランソプラゾールOD錠15mg「サワイ」であってもランソプラゾールOD錠15mg「トーワ」であっても同じ「2329023F1020」となります。

 

 

 

①    薬効(日本標準商品分類番号から87を除いた数字になります)
②    投与経路及び成分(内服薬:001~399、注射薬:400~699、外用薬:700~900)
③    剤形(内服薬の場合、A-E:散剤、F-L:錠剤、M-P:カプセル、Q-S:液剤、T,X:その他)
④    ①~③によって分類された同一分類内別規格単位番号
⑤    同一分類規格単位内の銘柄番号(製造販売会社を区別する。一般名収載品は全て01となる)
⑥    誤入力を検索するための番号(チェックデジット)

 

 

個別医薬品コード(YJコード)

薬価基準収載医薬品コードと同様に12桁の番号で表されます。薬価基準収載医薬品コードは一般名が同じものは全て同一のコードであるのに対して、YJコードは銘柄番号が加味されて再分類したコードとなりますので、それぞれの医薬品に対して付与されます。

 

原則として薬価基準収載医薬品コードと9桁目までは同じになりますが、残りの3桁分が製造販売会社を区別するコードとチェックデジットに割り当てられています。

 

YJコードは個別の医薬品に割り当てられているため、医薬品情報提供システムに添付文書等を登録する際に使用することがあります。また、先発品で一般名収載品目でないものは、薬価基準収載医薬品コードと同じになります。

 

タケプロンOD錠15mgの場合は、先発品で一般名収載品目でないため、薬価基準収載医薬品コードと同じ「2329023F1020」となります。

 

 

統一商品コード

医薬品のメーカー名、販売包装単位などを表すコードになります。タケプロンOD錠15の10錠ヒートで100錠包装の場合以下のようになります。

 

 

 

①    日本医薬品卸業連合会が設定する各メーカーの販売元を表す番号。
②    販売包装単位を表す番号
③    チェックデジット

 

 

JAN(Japanese Article Number)コード

バーコードの下に記載されている番号です。この番号を用いて医薬品の出入庫の管理発注管理を行なうことができます。日本工業規格(JIS)が制定するバーコードであり、米国やヨーロッパなど各国と互換性のある国際的な規格コードになります。

 

医薬品の場合は、統一商品コードの頭に「4987」をつけたものがJANコードになります。

 

 

 

①    「日本」を表す番号です。
②    「医薬品(および関連製品)」を表す番号です。
③    統一商品コード

 

 

レセプト電算処理システム用コード

医療機関や薬局などがレセプト請求を行う際に使用する9桁のコードになります。このコードは、一般名収載品の場合は「一般名」と「販売名」の2種類設定されています。

 

 

 

①    区分(医薬品は「6」)
②    医薬品ごとに設定されている番号

 

 

HOT番号

電子カルテにおける使用を目的としたもので、13桁の数字で表され、使用頻度の高い4つのコード(薬価基準収載医薬品コード、個別医薬品コード、レセプト電算処理システム用コード、JANコード)と対応しています。

 

HOTコードを使用することで、汎用される4つのコードを使用することができるため、使用コードの対応付け作業の負担を軽減することが可能となりました。さらにHOTコードは使用目的に応じてコードを分解して使い分けることもできます。

 


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