精神神経に作用する薬① かぜ薬
かぜ薬の成分
7 抗炎症成分
鼻粘膜や喉の炎症による腫れを鎮める作用があります。
セミアルカリプロティナーゼ、ブロメライン
セミアルカリプロティナーゼ、ブロメラインは、組織が損傷を受けたときに体内で産生される炎症物質を分解するタンパク質分解酵素です。また、毛細血管やリンパ管に沈着したフィブリン類似物質を分解し、炎症組織に貯留した炎症浸出物の排出を促して、腫れを和らげる作用もあります。
セミアルカリプロティナーゼには、炎症を抑える作用の他に痰を切れやすくする働きもあります。
セミアルカリプロティナーゼ、ブロメラインはまれに血痰や鼻血などの出血性の副作用を生じることがあります。
出血が止まりにくい方に対しては出血傾向が悪化することがありますので注意が必要です。
また、肝機能障害がある、と副作用が出やすくなるので服用前に医師に相談する必要があります。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、炎症時の痛みや腫れを起こしやすくするプラスミンの産生を抑制し、炎症を抑えて腫れを和らげる作用があります。
プラスミンは止血作用のあるフィブリンやフィブリノーゲンを溶解させて出血作用を示しますので、プラスミンの産生をトラネキサム酸によって抑制すると血栓ができやすくなります。そのため、血栓のある方やできやすい方(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など)の服用には注意が必要です。
グリチルリチン酸二カリウム
グリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似しているため抗炎症作用を示します。しかし、ステロイド剤を服用した場合と同じような副作用が出ることがあるので注意が必要です。
グリチルリチン酸を大量に摂取すると偽アルドステロン症を生じ、高血圧症や低カリウム血症などの症状が現れます。
そのため、むくみ、心臓病、腎臓病、高血圧のある人や高齢者は、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる薬剤を服用する際は、服用前に医師に確認する必要があります。医薬品ではグリチルリチン酸として1日摂取量が200mgを超えないように定められています。
またグリチルリチン酸は、生薬成分のカンゾウ(甘草)にも含まれています。甘い味がするので甘味料として食品や医薬部外品にも広く使用されているため過剰摂取にならないように注意する必要があります。
どのような人も1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は長期連用してはいけません。
8 漢方処方製剤
かぜ薬に配合される漢方処方成分です。単独でかぜの症状緩和に用いられることもあります。
9 鎮静成分
解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助します。総合感冒薬に使用することはできませんが、解熱鎮痛剤の中の成分の一つとして配合されています。単独では習慣性や依存性があるので注意が必要です。眠気やふらつきなどの副作用が出やすいです。
10 制酸成分
胃酸を中和し、胃腸障害を軽減します。解熱鎮痛剤の副作用による胃腸障害を軽減する目的で配合されています。
11 カフェイン類
解熱鎮痛剤の鎮痛作用を補助する作用があります。カフェイン類には覚醒作用がありますが、抗ヒスタミン剤や鎮静成分による眠気が出なくなる訳ではありません。
12 ビタミン成分など
代謝を円滑にする働きがあります。ヒトの体内で産生することができないため、食事などの外部から摂取する必要があり、総合感冒薬に配合されることが多くあります。疲労回復や粘膜の保持・回復などの作用があります。
【作用】
ビタミンC、ビタミンB2、ヘスペリジン➡粘膜の健康維持・回復
ビタミンB1、タウリン➡疲労回復
13 生薬成分
滋養強壮の効果があります。かぜの諸症状を緩和する作用があります。