乳幼児の発熱
乳幼児の発熱の原因は、ほとんどがウイルス感染によるものです。乳幼児の発熱はたとえ重大な疾患であったとしても症状が少なく、細菌性髄膜炎、敗血症、尿路感染症などの重大な病気が含まれていることがあり、特別な注意が必要です。
生後3ヶ月未満の乳児の発熱は、原則としては全員入院させ、敗血症・髄膜炎などの検査を徹底して行い、結果が出るまで抗生物質の点滴静注を行います。
入院して検査で重症が発見されるのは全体の20%くらいで、すぐに熱が下がる軽い場合もあります。しかし以下の場合、速やかな入院が勧められます
① 一般状態が良くないとき
哺乳力や手足の動きが弱い。うめき声がある。呼吸がおかしい。
嘔吐、下痢、咳などがある場合。
② 一般状態は良くても、熱が続くとき
③ 生後1ヶ月未満の発熱のとき
④ 家族の不安が強いとき
⑤ 経過観察が困難、症状の変化で急な入院が困難なとき
治療
発熱の対症療法として、アセトアミノフェン 10~15mg/kgで使用されます。ボルタレン®やポンタール®やアスピリン®はライ症候群の可能性があるため、解熱目的では使用しません。ただし、新生児や3ヶ月未満の乳児に対しては体温調節中枢が未熟なために解熱剤を使用せず、クーリングを行います。
処方例1)アンヒバ®坐剤100mg 1回10mg/kg 頓服 6時間以上あける 1日3回まで
処方例2)カロナール細粒20%®(200mg/g) 1回10mg/kg 頓服 6時間以上あける 1日3回まで