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痛風発作治療薬(コルヒチン)

痛風発作の治療薬には、コルヒチン、NSAIDs、副腎皮質ステロイドの3剤があり、コルヒチンは痛風発作の前兆期に投与します。尿酸代謝には関与せず、主に炎症の原因となる好中球の遊走とケミカルメディエーターの放出を抑制し、発作を予防します。

 

構造式

コルヒチン

作用機序

微小管はチューブリン蛋白でできた管状の構造物で、細胞骨格を構成しています。微小管は核分裂における染色体の移動や、細胞内小器官の配置、細胞運動(好中球の遊走や繊毛・鞭毛運動)などを担っています。
コルヒチンはチューブリンと結合し、微小管の働きを阻害することで、マクロファージのサイトカイン放出と好中球の遊走を阻害します。

 

コルヒチンは主として代謝酵素CYP3A4によって代謝されるため、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのCYP3A4を阻害する薬物との併用すると、本剤の作用が増強されることがあります。

 

コルヒチンの副作用

コルヒチンは好中球の細胞機能(遊走、貪食)と分裂、ケミカルメディエーター放出を抑制します。他組織の微小管重合も阻害するため、細胞分裂を抑制して様々な副作用を生じることがあります。再分裂の速い消化管・血液・毛髪に影響が出やすいと考えられ、悪心、下痢、貧血、脱毛などに注意が必要です。

 

適応

痛風発作の予防(発作前兆期に使用)

 

禁忌

妊婦(催奇形性があるため)


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